「おもちゃ」という不要不急なモノのある風景|コロナイヤーのクリスマスを前に


年初から今に至るまで、

新型コロナウイルスの流行と言う思いもよらない話題に終始した2020年。

残りわずかとなり、気付けばクリスマスまで1か月を切りました。

 

クリスマスの場面を思い描くとき、

素敵にラッピングされたクリスマスプレゼントを連想したり、

欲しかったおもちゃをねだった

子どもの頃の記憶がよみがえったりする人もいるのではないでしょうか。

 

 

 

 

今年は、自宅で過ごすしかない時間が非常に長かったこともあり、

おもちゃに関するこんな報道もしばしば見かけました。

▶おうちで菓子作り …子ども向けおもちゃやキット 外遊びしにくくなり注目(読売新聞2020/08/27)

https://www.yomiuri.co.jp/life/20200826-OYT8T50129/

▶コロナ拡大後の子ども、おもちゃ遊びや動画視聴が6割以上(Resemom 2020/11/25)

https://resemom.jp/article/img/2020/11/25/59190/271037.html

 

ちなみに調べたところ、東日本大震災の直後にも、同様の傾向が見られたようです。

▶外出自粛が影響、室内玩具の人気高まる 首都圏の小売店など(日経新聞2011/4/20)

https://www.nikkei.com/article/DGXNZO27053000Z10C11A4L61000/

 

 

 

 

おもちゃ、というものが、生活のためにどうしても必要なものかどうか、

それだけをただ聞かれたら、Noと回答する人は多いと思います。

 

つまり、おもちゃは不要不急なもの。

けれど、新型コロナ流行以降、

乱暴な社会実験に強制参加させられたかのように、一気に取り上げられてしまった

「無用な娯楽」とみなされがちなものが、

生きるのにいかに不可欠であったか痛感せざるを得ませんでした。

 

人はパンのみにて生くるにあらず。

 

それを証明するかのように、東日本大震災以降、

「防災袋の中にはカードゲームなどのおもちゃを」といったwebページを

少し検索するだけでも数限りなく見つけることができるようになりました。

 

 

 

 

■PR観点で見る、おもちゃというモチーフの魅力

 

そして、おもちゃというキーアイテムは、コミュニケーションの中で、

他では代替しがたい効果を持つことがあると思います。

 

 

▶技術者の英知が注がれ、むちゃくちゃにチューンアップされた

犬のおもちゃが爆走する番組「魔改造の夜」(NHK)

https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=23935

 

 

▶おもちゃの目玉をつけるだけで人はやさしくなる。

募金箱に目玉をつけただけで寄付率が48%増加

http://karapaia.com/archives/52274001.html

 

 

▶ガシャポン ミニチュアAED(バンダイ)

実物の内部を見たことが無いせいで使うのを躊躇する人が減るように、

国産AEDメーカーの日本光電工業が監修。

https://t.co/c7dbORQb3m

 

 

▶泣いてる赤ちゃんが、偉人漫画の1コマのようになるモビール

https://www.buzzfeed.com/jp/rihotakatsuto/world-chage-baby

 

 

多くを語れば語るほど野暮になってしまいそうですが、

情報の作り手の想いが「おもちゃ」に乗せられた、これらの施策は、

メッセージを押しつけるのではなく、受け取り手ひとりひとりが考えられるよう

ごく自然に導いてくれる設計になっているように感じられます。

 

興味を惹きつけ、見聞きした人を構えさせず、

心をほぐしながら、時に客観的な視点や冷静さまでもたらすという性質。

これは、おもちゃという、楽しさ・可愛さ・愉快さを

純粋に具現化した存在があってこそ成せる業だと感じました。

 

 

■「いいおもちゃ」と「いい仕事」に共通する愉悦

 

もうひとつ、おもちゃに関連して、

仕事との相似点を話題に挙げたいと思います。

 

おもちゃで遊ぶのは何も人間ばかりでなく、

例えばうちの猫は、パンケーキのように重ねられた木製の円盤の上のレールを、

くるくるとボールが周回するおもちゃで、何十分も遊んでいることがあります。

 

 

猫のひとり遊びを見て真面目に書くのもバカバカしい気がするのですが、

 

自分が思った通りにボールに触って期待した通りの結果を得られる気持ちよさと、

逆に、時に想像していなかった動きが起きる愉しさ、

その両方を魅力に感じ、何度も反復して夢中で遊んでいるように見受けました。

 

 

 

 

自分の経験や知見を駆使して熟考したプランに、

期待通りの反響が返ってくるなんとも言えない快感と、

これを超えて自分たちが思いもよらなかった化学変化が起きる高揚、

この2つは、PRの仕事にも共通するところがあります。

 

 

 

 

猫の知能は、人間の2~3歳児くらいと同じと言われています。

その年頃の子どもの発達段階を踏まえたおもちゃの遊び方や、

なぜそれを好むのかといった考察、そして遊ぶこと自体の重要性については、

玩具研究家・岩城敏之氏の著作などに詳しく、とても興味深いものがあります。

 

自身が世に広めたいと思う優れたおもちゃを、岩城氏はこういう言葉で表しています。

「自分に与えられた能力をめいっぱい使って幸せを追求するための遊び道具」と。

 

 

 

 

もちろん仕事は、それに携わるスタッフ個々人の幸福を追求するためにあるのではありません。

マーケティングPRの仕事は、クライアントさんの課題解決をはかることが第一義で、

株式会社は営利を追求することが前提です。

 

けれど、人生のうちの少なくない時間を仕事に使うのであれば、

自分に与えられた能力をめいっぱい使って、

期待通りにいった手応えと、予想もしなかったことが起きるダイナミズム、

その双方を堪能できる仕事が出来ればよいと、そう思います。

 

マーケティングPRの目的を達成しながら、

同時に、

PRパーソンひとりひとりが、そういう楽しさ、そういう幸福を見出せる仕事を

ひとつでも多く作りたいと考えています。

 

 

 

2020/11/28

 

 

 

*今回のブログは、パブリックグッド 森下が担当しました


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