連載Vol.0|投資漫画「インベスターZ」に投資以外のビジネススキルを学ぶ


Vol.0    はじめに

~投資漫画の枠を超えた、ビジネススキルを読み解くキーワード~

 

●漫画とビジネススキル
こんにちは。パブリックグッドの菅原と申します。小さなマーケティングPR会社を経営している(一応)経営者であり、かつ、現場仕事にも携わるマーケティングプランナーであります。また生涯1万冊(たぶん)を読破した大の漫画好きでもあります。

当社では従業員に電子書籍端末を支給し、端末費も書籍購入費も会社負担で読書を推奨しています。最初に端末を配布した際、「仕事に役立つ書籍を読むように」かなりざっくりしたルールを示したのですが、「どこまでが会社経費でOKなラインなのか」と冗談交じりに、社員とちょっとした議論になりました。

「例えば、さすがに「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」はだめだけど、「スタンフォード式 最高の睡眠」はOKだ」と伝えました。まあ、あまり細かく規定してしまうと読書の推奨にならないので、「これは会社経費でOKか?」と迷ったら私を説得して、という風にしました。

しかし、残念ながら完全NG にしてしまったものがあります。それは漫画です。端末の容量がすぐにいっぱいになってしまうからというのが一番の理由なのですが、それ以外に、ビジネス関連かそうでないかの境界線が非常にあいまいだからという理由もありました。

例えば、戦国時代を舞台に古田織部の半生を描いた「へうげもの」という名作漫画がありますが、あの作品をビジネス関連か否かと判断するのは極めて困難です。そうだと言えばそうですし、そうではないと言えばそうではないと言えます。端末容量の問題とはいえ、漫画はキリがないという理由でNGにしてしまったのですが、大の漫画好きである私としては、それなりに忸怩たる思いでもありました。

そんな中、「これは間違いなくビジネススキルを高める漫画だ!」と感じたのが、この「インベスターZ」という漫画でした。お読みになったことのない方のために、ここで簡単にあらすじを紹介します。

 

●インベスターZについて
北海道札幌市にある創立130年の「道塾学園」は、全国屈指の学業成績を誇る私立の男子中高一貫校。炭鉱開発や漁業によって財を成した豪商・藤田金七により創設された同校は、金七の強い意向で、開校以来生徒やその家族に授業料などの金銭的負担を一切かけない方針を貫いている。道塾に成績トップで合格した財前孝史は入学式当日に、各学年成績トップ6人のみが参加する「投資部」の存在を明かされる。彼らの使命は3000億を運用、8%以上の利回りを生み出し、無償提供されている学園運営費用を捻出することにあった。

※参考:https://mitanorifusa.com/works/investorz/

2013年から講談社「週刊モーニング」で連載がスタートした本作は、主人公が中学生でありながら「投資」に没頭していく斬新な設定が大きな話題を集め、2017年10月、好評のうちに第21巻をもって完結となりました。

 

●インベスターZに学ぶビジネススキル
本ストーリーは中学1年生の財前孝史が「投資」を通じて成長していく(あるいは周囲の年長者たちが財前孝史と触れ合うことで大切なことに気づかされる)物語で、そこには読者である私たちの知らなかった「投資」や「お金」に関する知識が随所に散りばめられています。

他方で、「投資」や「お金」以外にも、私たちが業務を行う上で参考になる示唆に富んだ場面が、時に扇情的に描かれています。少し具体例を挙げてみましょう。

主人公・財前孝史は入学初日に訳も分からないまま投資部に引きずり込まれますが、先輩とのやり取りを経て投資の意義を理解するようになります。一方で、秘密裏に運営される投資部に対して疑問を持ちはじめるようになり、「投資部」の存在をオープンにして優秀な学生をたくさん集めて投資を行ったほうが、より良い成果になるのではないかと主将の神代に提言しますが、以下のように一蹴されます

 

 

 

 

 

 

 

©三田紀房/コルク

 

 

また別のストーリーでは、後に主人公の財前孝史と大きな対立を繰り広げることになる道塾学園創業家・藤田家の跡継ぎである慎司が、帝王学を学ぶためにある先輩経営者に教え受ける場面があるのですが、その時にもこういったシーンが登場します。

 

 

 

©三田紀房/コルク

 

 

更にまた別のストーリーでは、同じく道塾学園創業家・藤田家の長女・美雪が、画商で奔放な母から「社長とは何か」を教えられる際に、こんなシーンがあります

 

 

 

 

 

 

©三田紀房/コルク

 

ここに挙げたシーンは、それぞれ全く異なるストーリーに登場しますが、これらは全て、作者である三田氏が、私たちビジネスパーソンが日常的に漫然と行っている「会議」や「意思決定」について「それ、意味あんの?」と投げかけてきているものだと感じます。

 

●本コラムの目指すところ|「投資スキル」ではなく「ビジネススキル」の向上
本コラムでは「インベスターZ」の主テーマである「投資」についての考察や解説は一切行わず、広くビジネススキルや日常業務に関連するシーンやページを取り上げ、そこからテーマを(勝手に)読み取って考察していきます。

本来は「インベスターZ」をお読みいただいてから本コラムをご覧になると理解が早いのですが(Kindle Unlimitedの対象商品です)、先の例のように実際の漫画のページ・登場人物の簡単な紹介・ストーリーの要約を付記しますので、お読みになったことのない方でもお楽しみいただけるようにしたいと思います。
またタイトル的に登場人物の「一言」を取り上げますが、大切なのはその前後の「文脈」なので、必要に応じて数ページ単位で引用します。

 

●コルク様、ありがとうございます
本企画での画像使用にあたって、「インベスターZ」をプロデュースされているクリエイター・エージェンシーである株式会社コルク様にとても寛容なご快諾をいただきました。改めてこの場を借りてお礼申し上げます。寛大な措置に恥じないコラムを書きたいと思います。

 

●掲載予定
このVol.0を皮切りに以下のラインナップで順次掲載していきます。ぜひご覧くださいませ。

・Vol.0 はじめに(11月30日)
~投資漫画の枠を超えた、ビジネススキルを読み解くキーワード~

・Vol.1  「優秀な人間が相談した出した結論なんてロクなもんじゃないんだよ」(12月7日予定)
~多くの時間を費やす何も決まらない「会議」にしないために~

・Vol.2 「ゴールドラッシュで金を掘ったヤツに金持ちはいない!」(12月14日予定)
~「事業での成功」には何が必要なのか~

・Vol.3 「美人の隣に座れるのは美人に告白した男だけだ」(2月1日予定)
~実在の実業家に学ぶビジネスの心得~

・番外編「無尽講にみる助け合いと会社と働き方改革(書き終わったら)


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