山内です。前回同様、映画に関するブログです。
映画と言えば、今は『鬼滅の刃』が大ヒット中ですね。興行収入275億円を突破(2020/11/30時点)し、歴代興行収入1位の『千と千尋の神隠し』を超える勢いを見せております。
まさに、社会現象的な大ヒットをしているわけですが、今回は「なぜ鬼滅の刃がヒットしているのか」ではなく(正直、いろいろな要素がありすぎてわかりません!)、「PRと興行収入は連動しているのか?」という話が出来ればと思います。
このテーマを扱おうと考えた背景として、よく映画会社にいたときは、クライアントから「SNSでバズるようなパブ/プラン」をと言われることがあったのですが、「バズらせること」が必ずしも映画のヒットに必要なのか?という純粋な疑問があったからです。。
今回は、興行収入と宣伝の相関を見るにあたって、今回はコロナ等社会現象の移り変わりもありフラットに判断しずらい2020年公開映画でなく、2019年のヒット映画の
・興行収入
・リーチの大きいTVパブ数
・SNS(Twitter)のツイート数
のあくまで「数の」相関から、ヒットと宣伝の関係性を考えてみました。
対象にした映画は下記の4つです。
・『天気の子』(2019年 7/19 公開)ー興行収入:141.9億
・『アラジン(実写版)』 (2019年 6/7 公開)ー興行収入:121.6億
・『ジョーカー』 (2019年 10/4 公開)ー興行収入:50.6億
・『マスカレード・ホテル』(2019年 1/18 公開)ー興行収入:46.4億
今回は、比較のために、興行収入が100億円前後の作品と、50億円前後の作品から2作品選定してみました。
こちらの、それぞれの「公開2か月前」(宣伝が活発化する時期)~「公開1か月後」(公開後の口コミが盛り上がる時期)で、弊社で使っているツールを用いて比較しました。
一覧にするとこんな形です。
同じ興行収入規模作品で見てみると、
・パブリシティ数:天気の子<アラジン、ジョーカー<マスカレード・ホテル
・総ツイート:天気の子>アラジン(3倍)、ジョーカー(9倍)>マスカレード・ホテル
となっていることが分かります。
同じ興行収入な点踏まえると、若干飛躍はしているものの、
・「SNSのバズでヒットを生み出す作品」(天気の子・ジョーカー)と、
・「パブリシティでヒットを生み出す作品」(アラジン・マスカレードホテル)
に違いがあるのではないか??と考えられます。
そこで、それぞれの映画の内容/公開前のキャッチを踏まえて考えてみると、
・『天気の子』=『君の名は』の新海誠監督の最新作。内容は完全オリジナル。
⇒注目度が高いが、内容は「見てみないとわからない」
・『アラジン』=ディズニーアニメーション『アラジン』の実写版
⇒題材ゆえに注目度が高く、内容は「ある程度想定がつく。」
・『ジョーカー』=アメコミ初の「ヴェネツィア国際映画祭」金獅子賞受賞というフックはありつつ、
日本ではなじみの薄いアメコミ原作&(日本での)有名俳優はいない。
⇒評価の高さゆえの注目度はそれなりにあるものの、内容は「見てみないとわからない」
・『マスカレード・ホテル』=木村拓哉さん主演。東野圭吾さん原作。
⇒人気俳優主演映画ゆえに注目度が高く、ベストセラー作家原作ゆえに「ある程度想定がつく。」
「見る前に内容がどの程度想像がつくか?」という、違いがあることが分かります。
そちら踏まえて、それぞれの宣伝の違いを考えてみると、
・アラジン・マスカレードホテル⇒「あの作品/あの主演俳優の最新作が公開される」という”認知”をTVパブリシティで醸成
・ジョーカー・天気の子⇒「作品の”何となく”の良質感」を”理解”させるためのSNSコミュニケーションを活性化
させていたことが、それぞれの作品のヒットの勝因だったのでは??と仮定出来るかもしれません。
もちろん、映画のヒットには例えば公開規模など、様々な要因がありますし、必ずしもこちらが正解、、とは言えませんが、猫も杓子も「パブリシティ強化」「SNS活性化」ではなく、それぞれの特性に応じた戦略設定をする、、というのも重要かと思います。
今回はかなり推測含みの荒い分析ですが、「何となく」の疑問に対して、ファクト(今回は実数字)
と照らし合わせながら、考えることで、新たな気づきを得られる、、というステップは、パブリックグッドに入って初めて学んだなぁ、とこのブログを書きながら思い出しました。。。
長くなりましたが、何が言いたかったかというと、今パブリックグッドは求人を募集しております。
https://tenshoku.mynavi.jp/jobinfo-268145-2-4-1/
是非、興味ありましたら、ご応募ください。。
山内
パブログTOPへ 全体のTOPへ